介護施設では、様々な職種のスタッフが活躍しています。まず、高齢者といった介護サービス利用者を直接介助する介護福祉士などの介護スタッフが中心となります。介護スタッフは、利用者の要介護度に応じて、必要なら食事や排泄から入浴や移動まであらゆる場面で利用者を介助しなければなりません。利用者の身体に触れる介助行為は身体介護と呼ばれ、介護資格が必要です。こうした介護資格は、介護福祉士のような国家資格だけでなく、介護職員初任者研修などの民間資格でもかまいません。

利用者は、要介護度や要支援度によって身体の不自由度が分けられています。最も重い寝たきりの利用者は、要介護度5と認定され、ある程度自立可能で最も軽度の利用者は、要支援度1とされているのです。要介護度や要支援度の認定は、行政機関が行いますが、その判断過程においてケアマネジャーの存在が欠かせません。ケアマネジャーは、利用者やその家族と面談してケアプランを作成し、要介護度認定をサポートします。要介護度により利用者が受けられる公的支援の内容に差が出るため、ケアマネジャーの仕事は重要なのです。

原則としてケアマネジャーの仕事はデスクワークで、介助に関わることはないのですが、人手不足が深刻な場合は介助を手伝うこともあります。ケアマネジャーの資格試験は、介護福祉士や看護師などの有資格者しか受験できず、ハードルが高いと言えるでしょう。このほかに、介護報酬請求などを担当する介護事務や、利用者のリハビリを補助する作業療法士などの職種があり、多業種のスタッフがケアカンファレンスという会議で意見を述べ合い、より良い介護サービスを施すために交流を深めています。